今回は「名著『FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』を読むべき7つの理由」がテーマです。
▶ いい本を探している読書家の方
▶ ファクトフルネスの書評や評価が知りたい方
▶ というか、すべての人!
そんなあなたにオススメの記事になります。
久々に心に突き刺さる本に出会いました。
人生の一冊になりました。
面白く、苦しく、胸に響く名著――。
それが『FACTFULNESS』です。
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ざっくりした本の内容、解説は公式に譲ります。
ファクトフルネスとは――データや事実にもとづき、世界を読み解く習慣。賢い人ほどとらわれる10の思い込みから解放されれば、癒され、世界を正しく見るスキルが身につく。
============中略=============
本書では世界の本当の姿を知るために、教育、貧困、環境、エネルギー、人口など幅広い分野を取り上げている。いずれも最新の統計データを紹介しながら、世界の正しい見方を紹介している。
要するに世界の見方が書いてある教養本なわけです。
が、ただの教養本じゃありません。
少なくとも僕はそう感じます。
だって普通の教養本読んで泣かないじゃないですか? 感動しないじゃないですか?
僕は泣きました。それも何度も。
そこまで心揺さぶられるってことは、人の心を動かす“何か”がある。
そこで今回は「ファクトフルネスが感動作な理由」と題し、この本の魅力に迫っていきます。
目次です(*^^*)
書評・要約の前に┃FACTFULNESS(ファクトフルネス)の概要
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理由① 自分の視野の狭さに気づける
まずは自分がいかに世界を知らないかに気づけます。
知らないというより、自分の知識がアップデートされていないかが分かります。
例えば冒頭には世界に関する13問のクイズが出題されています。WEBに公開されている一部を紹介すると……
質問 世界の1歳児で、なんらかの予防接種を受けている子供はどのくらいいる?
・A 20%
・B 50%
・C 80%質問 いくらかでも電気が使える人は、世界にどのくらいいる?
・A 20%
・B 50%
・C 80%
です。
さて、正解分かりましたか?
僕はこの2問、片方は外してしまいました。
人によっては「こんなの常識じゃん」って思うかもしれませんが、どうもそうとは限らないようでして……
2017年に14カ国・1万2000人に行ったオンライン調査では、地球温暖化の問題をのぞけば、平均正解数は12問中たったの2問(本書より引用)
とのこと。僕自身、正解数は6問でした。半分は正解でしたが、言い方を変えると半分は外したことになります。
このクイズの恐ろしいところが、一見難しくないテストに見えて正解率が恐ろしく低いところです。
答えは3択になっているので当てずっぽうに回答したとしても33.3%の正解率になるはずなんですが、実際には13問中3問弱。適当に答えた場合より低くなってしまっています。
これが何を意味するかというと、
多くの人は古い知識をアップデートしないまま持っている
ということです。
昔は正解と言われていた答えが覆っているのに、そのままアップデートせずに持ち続けているわけです。
これって日常生活に置き換えると恐ろしいですよね。
・スポーツ時の水分補給はNG。ケガをしたら患部を温める
・仕事や勉強の時間は長ければ長いほどいい。徹夜してでもやる
・稼いだお金は貯金するのが正義
みたいな。
今はスポーツのときに水を飲まないなんて考えられませんし、ケガをしたら冷やすが鉄則です。
仕事も勉強も長時間やることに意味はないと科学で証明されています。
貯金が正義だった時代はすでに過去になり、自己投資や資産運用に回す流れに傾いています。(といってもまだまだ貯金勢のほうが多いわけですが)
要するに……
アップデートしない知識は古くなる。しかも使えないどころか間違った見解や行動によって僕らを悪い方向に導いてしまう可能性すらある
わけです。
そういう意味でFACTFULNESSは自分の知識がいかに古いか、知識をアップデートしないことが恐ろしいか、についての気づきを与えてくれるわけですね。
理由② データに基づく世界の真実を知れる
イントロダクションで自分の知識の古さと古い知識の恐ろしさを思い知らされます。
もう読んだ方は僕と同じように思い知ったんじゃないでしょうか?
まだ読んでいない方は思い知らされてください笑。
さて、間違った知識を持っていることがわかったところで、続いてはアップデートの時間です。
問題の答え合わせをしながら、世界でどんなことが起きているのか、読み進めるうちに分かるようになります。
「先進国」と「後進国」という表現がいかに古いか。
「僕ら(先進国)」と「彼ら(後進国)」という分け方をするのがいかに時代に即していないか、僕たちは知ることができるんです。
普通に先進国とか後進国って言葉使いますけど、この本を読むと別の表現で読んでみたくなるはずです。
理由③ 10つものバイアスを知れる
『FACTFULNESS』の副題は『10の思い込みを乗り越え、データを元に世界を正しく見る習慣』です。
人を支配する10つのバイアスの正体が分かります。
ガッチガチな科学的根拠に基づく証明というより、筆者の体験談に研究の文献をミックスさせてバイアスを説明していくスタイルですね。
筆者の主観的なところもあるので、「科学しか信じない」ってスタンスの方にとってはややマイナスポイントとなりそうなところ。
ただし、ネガティブ本能はもはや説明不要の常識的な部分ですし、直線本能にしても「=現状維持バイアス」と置き換えて考えればしっくり来る。
そうやって自分の持っている知識と組み合わせながら読み進めていくと、より面白みが出るかもしれません。
理由④ 単純に文章が面白い
そして何よりなのですが、
と率直に思いました。
筆者の経験や行動力、表現の仕方などはもちろんですし、翻訳者の方々もかなり丁寧に訳したことがうかがえる内容になっています。
著者の熱量が伝わってくるし、苦悩、喜び、悲しみ、人の良さが頭にスッと入ってくる。
アマゾンレビューの中には、
みたいな声もあるみたいですが、僕は全然そうは思わなかったですねぇ。
理由⑤ 日本がいかに幸せかに気づける
日本にいるとどうしても友だちやクラスや会社などの“限られたコミュニティの中の自分”としてしか自分のことを見るのが難しくなります。
だから他人と比較して、羨ましがったり、妬んだり、自分がかわいそうな人間だと思えたり、ネガティブな感情が生まれてしまったりするものだと思います。
ただ、もう少し視野を広げてみることで、見える世界が全然変わってきます。
日本では当たり前に電気があって、水道があって、ガスがあって、インターネットもほとんどの人が使える環境にあります。
こんなに恵まれた環境、世界のどこにもなんじゃないかってくらい。
そういった人たちと比較して自分たちが上だとか下だとか言うつもりは全くありません。そもそも“そういった人たち”と自分たちを分ける考え方自体がよくないですしね(読んだ人は分かるはず!)
ただ、日本人が「普通」だと思っている環境がいかに当たり前じゃないかってことを思い出すいいきっかけになるはずです。
いたるところに24時間営業のコンビニがあるなんて、日本を含めてほんの一握りです。
自動販売機もそう。海外だとすぐに壊されてしまうから、めったにない。
インターネットがこんな爆速なのも、スマホの普及率が世界最高クラスなのも。
どれもこれも、日本では当たり前かもしれませんが、世界的に見たら当たり前じゃない。
それを再認識できるだけで、世界は違って見えるかもしれません。
理由⑥ 世界に希望を見出せる
日本の環境を幸せに思えるのと同時に、世界に対しても希望を持てるのが本書のいいところです。
詳細は省きますが、極度の貧困、飢餓、児童労働、女児の教育、戦争など、人々の生活を脅かす恐怖は減り続けています。(データを見れば明らか)
僕らは普段から「なんとなく不安だな」とか、事故や紛争のニュースを見て「嫌な世の中だな」って考えてしまいがちですよね?
でもデータと照らし合わせて客観的に世界を見つめれば、「昔より良くなっている」と思える根拠がたくさんあることに気づけるんです。
もちろん、本書で紹介されている項目以外の問題点や、データでは推し量れない項目もあるでしょう。
ただ少なくとも「世界が良くなっていることを示しているデータ」はたくさんある。
その事実を知れることは、大きな喜びではないでしょうか?
理由⑦ 世界は完璧じゃない。でも、良くなっている
そして個人的にこの本で最も響いたのが……
「悪い」と「良くなっている」は両立する
という言葉でした。
当たり前といえば当たり前。
そんなこと、この本を読む前にも分かっていることでした。
ですが、この本を読んでより「悪い」と「良くなっている」を感じられるようになりました。
なんでもそうです。
勉強でも、仕事でも、恋愛でも、人間関係でも、健康でも。
目標や理想を100%達成できないときだってあるじゃないですか?
そんなときって誰でも、
って考えがちだと思うんですよ。
仕事がうまくいかなかった日とか、好きな子との会話がうまくできなかった日とかね。
でもこの世界はゼロか100かでできているわけじゃない。
むしろほとんどゼロと100の間で起こっている。
仕事の目標達成率が89%だったとしても“89%分の頑張った”は褒められていいはずだし、好きな子とうまく会話ができなかったとしても「二人で話せただけで一歩前進」って考えることができるはず。
ある種、セルフコンパッション的な考え方とも言えるかもしれないですね。
日常生活の基準を「悪い」と「良くなっている」にするのは「悪い」が基準になってしまって気持ちよくないので、僕は「完璧じゃない」と「良くなっている」と考えるようにしています。
そう考えることで、なんだか人生救われる気がします。
読み終わる前と後で目の前の世界は変わらないはずなのに、なんだか輝いて見えるほどに。
まとめ
まとめます!
▶ 本としてめちゃめちゃおもしろいよ!
▶ 自分の知識や考え方をアップデートできる本だよ!
▶ 読む前と読み終わった後だと見える景色が違うよ!
という話でした。
今年読んだ本の中で一番心に刺さった本でしたね。
こんな書評で興味を持ってもらえるかどうかはわかりませんが、もし少しでも興味があれば手にとっていただけたら嬉しい限りです。
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それにしてもいい本をシェアできるって、喜びですねぇ。
翻訳者の見解も読める!
そうそう、翻訳を担当された上杉周作さんが、制作の裏側や読者の声に対する見解を書いてくださっています。
▶「FACTFULNESS(ファクトフルネス)」の翻訳本ができるまで
▶『ファクトフルネス』批判と知的誠実さ: 7万字の脚注が、たくさん読まれることはないけれど
こちらもめちゃくちゃ読み応えのある内容になっているので、ぜひに!
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