とてもいい本に巡り会えました。嬉しい。
今回は『SIMPLE RULES』のレビューをしていきます。
シンプルに物事を考え、ルール作りをすることで最大の成果を出せる。そのメソッドが詰まった一冊になっています。
なお、本の読み方や読書のルールはここにまとめてあります。
目次です(*^^*)
今回読んだ本
内容(本書より引用)
世界の名門ビジネススクールで教える
あらゆるムダと時間を削ぎ落とし、成果を最大化する方法!!◎なぜ、物事は放っておくと複雑化するのか
◎「自由放任」か「厳格管理」か――チームの成果を最大にする法
◎伝説の投資家が大儲けした「非情な鉄則」
◎宿泊施設仲介サイト「Airbnb」、成長の3つのルール
◎競争の原理――わざとタイミングを外して勝つ
◎「ルンバ」「トイ・ストーリー」……あの大ヒット商品を生んだ知恵本書で明らかになるのは、世界最先端のビジネス理論が、
われわれのどんな仕事においても「みごとに機能し、役に立ってしまう」という、驚くべき実例だ。
とりあえず内容を3行でまとめると?
まずはざっくり要約します。
・ルールはシンプルなほどいい
・考える時間(複雑なルール)はノイズである
・“境界線ルール”で、最速の行動をした者が勝者になる
こんな感じ。ここからは読む上での下準備から核心部分の詳細まで書いていくので、上の3行を見て「あんまり興味ないなー」と感じたら進まなくていいと思います。
読書前の下準備
読み始める前に行っていた下準備を記録しておきます。
本書を読む動機・目的
・ルールのミニマム化を進めたかったから。無駄を削りたかったから
・具体的なシンプルなルールを作る方法が知りたかったから
自分のスタート地点
シンプルな考え方が勝ち残り、シンプルな方がかっこよく見える。
最近流行りのミニマリスト的な思考ですね。僕もこの考え方に賛成でして。そもそもミニマリストの本質はモノをなくすことではなく「モノをなくして空いたリソースを、自分の本当の目的のためだけに使う」です。
例えば「モノをなくしたい! 掃除機をなくそう!」と考えて、掃除機を捨てるのでは意味がありません。どのみち、掃除はしなければいけないのですから、手作業になって余計に時間がかかっていたら、本末転倒になってしまいます。
それよりは、ルンバを買って、ルンバが掃除してくれている間に自分は他の何かをやったほうが、よっぽど生産的ですよね?
行動や考え方にも全く同じことが言えて、僕らは習慣的に無駄な行動をたくさんしてしまっています。例えば、ある研究によると一日の行動のうち、人が自分で考えて行動している比率はわずか5〜10%程度に過ぎません。残りの90〜95%は「無意識」。つまり、習慣化された行動で動いているのです。
要するに、「人間の生活の95%を占める習慣化された行動をシンプルなルールによって動かさないと、すげー損することになるよ」って話なんですな。
なので、シンプルなルール作りの方法や具体例を探りたく、本書を手に取った次第です。
要約すると?
人生はトリアージである
最初に出てきたのが、医療現場で用いられる「トリアージ」だったのですが、この説明がめちゃくちゃしっくり来て鳥肌が立ちました。
トリアージは、戦争や災害といった多くの負傷者がいる状況の中で一人でも多くの人を救うために用いられるルールです。傷病者の状態を見極めて優先順位をつけ、重傷者から迅速に治療にあたっていく、といった流れですね。
具体例を見てみましょう。
2004年にキャンプ・マレスで自爆テロが発生した際に用いられたのが、以下のルールでした。
・指示に従えるか
・心拍数が毎分120未満か
・呼吸数が毎分10以上30未満か
人の生死が左右する現場のルールが、たったの3つ。
しかし、「一つでも多くの命を救う」という最も重要なミッションを遂行する上で、これ以上のルールは必要なかったのです。結果、治療にあたったスタッフたちは迅速に行動でき、多くの命が救われました。
このトリアージは、自分の生き方や仕事でも活かすことができる考え方ですよね。
日常は複雑さで溢れている。自分が本当にしたいことを、すぐに見失ってしまう。見失ったことにすら、気づけなくなってしまう。
しかし、「自分の人生で大切なものは何か」という基準を作り、基準を達成するためにトリアージを実行できれば、満足度の高い人生に近づいていく、と。
僕の場合、自分のNorthStarは「未来志向(未来の自分や子どもに責任を持って今を生きる)」。それを達成するために、シンプルなルール作りを心がけていきたいですね。
人生トリアージの4か条
では、シンプルなルールの定義とは何なのか? 具体的に見ていきましょう。
・ルールが少ない
・使う人によってカスタマイズできる
・具体的である
・柔軟性がある
この4つに当てはまっていればOK。
ルールが少ない、は言わずもがなですね。工程は10個あるより、1つのほうがいい。
使う人によってカスタマイズできる、というのも重要です。組織の場合は色々な人がいますから、一律で当てはめることは難しい。例えば太っている人と痩せている人では、「5キロ、ダイエットする」の重みが違ってきます。僕自身、いま70キロあれば5キロダイエットは余裕ですが、いまの58キロから5キロ落とすのは無理。
それより「体脂肪率15%以内になる」など、その人に当てはめて考えられる基準がいいんです。
そして、目標は具体的であるといい。
例えば「ダイエットする」は、抽象的過ぎ。極端な話、100グラムでも減っていればOKとなってしまう。対象範囲が広すぎると、実現性が減ってしまうんです。
よって、
△「5キロ、ダイエットする」
のほうが好ましいですし、
○「3カ月以内に5キロ、ダイエットする」
のほうが具体性がある。もっと言えば、
◎「本日6月5日から、3カ月後の9月4日までに5キロ、ダイエットする」
このくらい具体性があったほうがいいわけですな。
最後に柔軟性ですが、これも重要。特に組織の場合はいろいろな価値観がありますから、特定のやり方に固執するようなルールは良くない。
例えばですが、あるウェブサイトを運営する際、「読者が満足する文章を出せればOK」とすれば、大概うまくいきます。しかし、ここに「だ、である調でないとならない」とか「午前10〜12時は執筆の時間にしないとならない」みたいなルールがあるとどうか。
前者は表現の幅が狭まってしまう可能性があります。「です、ます」のほうが個性が出たり、面白い表現が使えたりするケースだってある。
後者は時間を縛ることで、個々人の能力を最大限発揮できない可能性があります。朝に筆が走る人もいれば、夜にタイピングが進む人もいる。重要なのは、上がってきた原稿が面白いかどうかなので、無駄なルールを設けることにメリットはないんです。
境界線・優先順位ルール
じゃあ、具体的にどうやってシンプルなルールを作っていけばいいかというと、
・境界線ルール
・優先順位ルール
この2つのルールを実行することです。
境界線ルールとは「YESかNOか」、二者択一の選択をできる基準を作ること。
自分の中にある唯一無二の基準に照らし合わせて考えることで、最速で判断でき、最速で行動せきる、というわけですね。
「唯一無二の基準なんてないよー」って方もいるかも知れませんが、「自分にとっていちばん大事なこと」を基準にすればいい。要するに、
個人でいえば「価値観」。
企業でいっても「価値観」あるいは「アイデンティティ」。
ここに境界線を引き、基準に合うものは取り入れる。合わないものはバッサバッサと切っていく。
そして、次に来るのが優先順位ルールです。
境界線の中に入ってきたモノに、優先順位をつけていきます。
例えばブログを書く上で、
・人の役に立つ内容にする
を「境界線」にしたとします。で、その中でも、やりたいことがいくつか出てくる。
人の役に立つブログにするためには……
・自分で勉強する必要がある
・書く内容のリサーチする必要がある
・自分で行動する必要がある
・文章を書く必要がある
・見てくれる人のために、サイトを見やすくする必要がある
という項目が頭に浮かびます。で、優先順位をつけていく。
1.書く内容のリサーチする必要がある
2.自分で勉強する必要がある
3.自分で行動する必要がある
4.文章を書く必要がある
5.見てくれる人のために、サイトを見やすくする必要がある
といった具合に。さらに言うと、優先順位ルールも汎用性の高いものを用いておくといいですね。例えば、上記したルールは他のことにも当てはめることができます。
何かやろうと思ったときに……
1.リサーチする
2.勉強する
3.試してみる
4.アウトプットする
5.その他
これが明確なら、迷うこともないですよね。この二つが完璧にできれば、物事を進めていくスピードは格段に上がる。難しいんですが、実践していきたいところですねー。
他にも
・停止ルール(損切りの方法)
・ハウツー・ルール(制限による自由)
・コーディネーションルール(集団行動におけるルール)
・タイミングルール(時間と紐づくルール)
などがあるんですが、まずは境界線と優先順位を作れれば十分だと思います。気になる方は本書を買って実践してみるのがいいかと。
どう自分に取り入れる?
※ボク個人によるボク個人のために書いている項目なので、みなさん読み飛ばしてくださいませ
では、自分に当てはめるとどうなるか、という点を考えていきます。
境界線ルール
未来志向(未来の自分や子どもに責任を持った行動か?)
もう少し噛み砕くと……
幸せ=成長、時間、お金を生むものに時間を使う
って感じになります。
優先順位ルール
1.幸せ=成長を生むことか
2.時間を生むことか
3.お金を生むことか
4.生活に必要なこと(できる限り、最適化。他の人ができることは、委託する)
以上。他のことは、やらない。
こんな人におすすめ!
・何かするときに判断基準がない人
→判断基準をシンプルに作れるようになり、迷わなくなります
・生活のルーティンができていない人
→毎日やることが決まっていない人は、やることを決めて生産性が上げられます
・仕事をもっと最適化したい人
→無駄なことをしなくなるので、生産性が上がります
・時間がほしい人
→無駄なことをしなくなるので、時間が生まれます
本書の内容を実践できるだけで、生産性はめちゃくちゃ上がるので、誰にとってもおすすめ。良書です!
ちなみに「自分にとっての“境界線”はなんだろう?」を教えてくれる本ではないので、それは別の本で探すといいと思います〜。
【はじめて来てくださった方へ】
当ブログでは「いい人生を歩むために自分だけの人生の設計図"ライフツリー"を作ろう!」ということを推奨しています。自分の生き方に迷っているから、いまいち幸せを感じられない方、今よりもっと充実した人生を歩みたいと考えている方はこちらの記事を一読ください(*^^*)
ご相談、ご質問も受け付けてます!
ご相談、ご質問がある方はこちらまで!僕でお力になれるなら幸いです。誠心誠意回答していきます(*^^*)Special Thanks
僕の人生を変えてくれた人たちです(*^^*)▶メンタリストDaiGoの「心理分析してみた!」
▶年間5000本の論文を読む鈴木佑さんのブログ『パレオな男』