読書に関する記事をたくさん書いているわけですが、
先日こんな質問をいただきました。
実は今、電子書籍にするか実物の書籍にするか悩んでいます。ソティさんからして、どちらがオススメですか?
本を選ぶとき、とっても悩む問題の一つですよね。
僕もどちらにすべきか、結構考えました。
そこで今回は……
ありがとうございます!お答えします!
ということで「紙の本と電子書籍、どっちを選ぶべきなの?」というテーマで質問にお答えしていきたいと思います(*^^*)
目次です(*^^*)
徹底比較!紙の本と電子書籍、どちらを選ぶべきか問題
さて、早速ですが結論を書いてしまうと……
紙の本と電子書籍、どちらもメリットとデメリットがあるため、好みや用途によって使い分けるのがベスト!
です。
はっきりとした答えじゃなくてごめんなさい……。
でも本当にそうなんです。どちらにもメリットとデメリットがあるので、一概に「こっちを選んどけば間違いない!」ということは言えないんです。
なのであなたの個性や好み、置かれている環境を考慮して自分に合ったほうを選ぶのがいいと思います(*^^*)
本を紙で読むメリットは?
まずは紙の本で読書するメリットから見ていきましょう。
僕たちが子どもの頃から親しみ、最も一般的なツールである紙の本が与えてくれる影響とは?
学習効率で選ぶなら間違いなく紙が最強
最も重要なことを最初に書いておくと……
原則、紙の本のほうが内容が頭に入りやすい
という点です。
バレンシア大学のラディスラオ・サルメロン氏らの研究チームは、過去に行われた54件の学習に関する論文のメタ分析(※)を行いました。
ここでは紙とデジタルでどの程度理解力に差が出るのかが調べられたのですが……
という結果がでたそうです。
なぜそのような結果になるのか?という点については諸説あるのですが、「慣れ」や「アウトプットの簡単さ」が関係しているという説が個人的にはしっくり来ています。
僕らはそもそも紙の本やノートを使って学習する習慣がありますよね?
なので紙に慣れているし、フィジカルで触れられるもののほうが学習する上で有利……と考えられるわけです。
読書とは少し離れますが、メモを取るときなんかもそう。
紙の本ならメモを書き込むことができますが、デジタルの場合は(最新のiPadでもない限り)直接書き込むことは難しいですよね?
思いついたその場でメモを書ける(紙の本に書き込む)のと、思いついてからメモ帳を出してペンを取り出してメモするのでは相当の差が出るはず。
もちろんこれは僕らが紙に慣れているからで、デジタルネイチャーな世代(デジタルで本を読むのが当たり前な世代。小学校で紙廃止、iPad教育が標準)が出てきたら変わる可能性があります。
が、いまいまではやはり「紙優勢」と言わざるを得ないわけですね。
習慣作り、環境作り、モチベ作りにもプラス
自分が生きている空間に物質として本がある――。
そういう環境は結構プラス要素が多いと日々感じます。
例えば本が当たり前にある部屋の中で生きていたら、当たり前のように本に手が届きます。
自分が意識しなくても無意識のうちに本を読む習慣ができてしまうんです。
これは物質としての本の最大のメリットの一つと言えるでしょう。
いくら本を持っていても、iPadやキンドルに入っているとしたら、僕らはそれを体感することができません。
つまり、意識して本を読む、という手間が発生してしまうわけです。この意識的か無意識かの違いは長期的に見ると結構なコストの違いになると思います。
当たり前の話ですが、目の前に本が当たり前にあったほうが本を読む頻度は増えます。本を読む頻度が増えれば読書のメリットをめちゃくちゃ享受することができます。
ということで、物質として本を持っていることは大きなメリットにもなり得るんです。
睡眠質向上が大きなメリットすぎる
そしてこれもめちゃくちゃ大きなメリットといえるでしょう。
電子書籍の場合、デジタルデバイスを通して読書することになります。
そうすると僕たちは必然的に強い光を浴びることになります。
これが昼間ならいいですが、夜間となると問題が起きます。というのも、夜にブルーライトを浴びることは睡眠の質の低下を招くからです。
しかし紙の本を使えば、その心配はありません。
本を読むのに多少の光は必要になりますが、強いブルーライトを真正面に浴びるようなことにはなりません。弱めの間接照明(できれば褐色系のブルーライトを発しない光)があれば十分ですからね。
実際、寝る前に読書をすることは睡眠の質を上げるという研究もあるくらい。
睡眠の質が高いかどうかは僕らの人生全体に関わってくることです。
しかも寝る前の落ち着いた時間というのは読書に最適。そんな時間にデジタルデバイスを使ってブルーライトを浴びるのか、紙の本をめくって心を整えて眠りにつくのかでは……翌朝の体調が全然変わってくると言っても過言ではありません。
少なくとも寝る前の読書に関しては、はっきりと「紙の本がいい」といい切ってすらいいわけですね。
本を紙で読むデメリットがコレ
今度は反対に紙の本を使うデメリットについて考えていきます。
紙の本は支持されがちだし実際に人気ではありますが、デメリットがないわけじゃないですからね。しっかり指摘して、最適解を考えていきましょう。
利便性では劣る。。収納する物理空間が必要不可欠
まずなんといっても利便性に欠けるというのは否めないでしょう。
収納スペースが圧倒的に必要です。
書斎が作れるくらい余裕のある方なら気にならないかもしれませんが、平均的な所得の人や若い世代で書斎を持つのは難しいですよね?
ワンルームにベッドも勉強机もあって、その上本棚も……となると厳しい。特に都心の一人暮らしではスペース問題が大きなネックになるでしょう。
持ち運びも難しいです。
運べてもせいぜい1冊か2冊。2冊以上かばんに入れた日には……まあまあな重さで腕や肩がやられてしまうでしょう。特に女性は厳しいですよね。
一方の電子書籍はスマホやタブレット端末さえ持っていれば何万冊でも持ち運べますから……利便性で紙に勝ち目はありません。
もっとも、先ほどメリットで上げたように「本が物理的にある」という状況はメリットにもなり得るので……その人の置かれた状況と考え方に大きく依存するとも言えそうですね。
が、利便性以外のデメリットはほとんど……
その他に大きなデメリットがないかどうかを考えてみましたが、特筆するようなデメリットはあまり思いつかないですね。
紙の本のほうが多少値段が高い、とか、汚れに弱い、とか、落としたら変えてこない(データはバックアップを取れる)とかはありますが、どれも致命的なデメリットかというと……。
ということで、紙の本のデメリットは「利便性」という点に尽きるかと思います。
本を電子書籍で読むメリットは?
続いて電子書籍について見ていきましょう。
まずはメリットから。
紙の本のメリットが目立つところですが、電子書籍にもいいところはあります。電子書籍特有の特性をしっかりと把握して使い方を考えていきたいところですね。
利便性は最強!収納スペースいらずで1万冊持ち運びも可能
なんといっても最大のメリットがコレ。
電子書籍、利便性、最強。
ですね。
100冊だろうが1000冊だろうが1万冊だろうが、一つのデバイスに入れて持ち運ぶことができます。収納スペースはiPadやキンドルの大きなのみ。
ノート一冊より小さなサイズに無限の本を入れることができるのは大きな強みですね。
僕もよくこんなことがあります。外出先で……
ああ、すっごいいい企画が思いついた!資料作ろう!あの本のあのアイディアと組み合わせたらめっちゃ面白そうだけど……詳細なんだっけ???
みたいなこと。
こんなとき紙の本だとアウト。一方、電子書籍ならiPadをさっと開いて確認することができます。マジ便利っす。
電子書籍を選んでいるほとんどの人はこの利便性が理由ではないでしょうか?
利便性……言い換えると手軽さは何にも勝る魅力がありますからね。
検索機能で調べたい内容を一瞬で見つけられる
これもデジタルデバイスの強みです。
テクノロジーの進化ですよね。調べたい内容を検索して一発で探し出すことができるようになりました。
紙の本だと……
現代人のストレスの最大の原因って何だっけ?『最高の体調』に書いてあったと思うけど……何ページのどこだっけ?
ということがよくあるはず。
デジタルデバイスだと一瞬で調べられますからね。強いですよね。
さらに例えば「ストレス 原因」みたいな検索ワードで検索することで、自分が探していた本以外の本にある知識も見つけることができます。
知識と知識をコネクトする効果もある点は大きな強みですね。
紙の本よりちょっぴり値段が安い
地味にジワるのがこれですかね。
若干安い。お財布に優しい笑。
紙の本のほうが学習効率が高いことを考えると、値段をケチって電子書籍にするというのはコスパ的にマイナスではあります。が、利便性などを取って電子書籍にした場合、副産物的なメリットとしてついてくるのが価格ですね。
もっとも数十円単位の違いなので、これを理由に本を決めるというのは個人的にはおすすめしないですね。
これ以外のメリット・デメリットを考慮して購入するのがいいと思います(*^^*)
本を電子書籍で読むデメリットがコレ
続いてデメリットを見ていきましょう。
デジタルデバイスは人を幸せにすることも多いですが、不幸にすることもまた多いです。
スマホを触りすぎると幸福度が下がる傾向にあるように、デジタルデバイスとの向き合いはしっかりと行っていく必要がありますからね。
学習効率ははっきり紙の本に劣る
紙の本のメリットのところで学習効率に関して触れました。
言い換えると、
電子書籍の学習効率は紙の本に比べて下がる
というのは否めない点です。
状況や使い方によっては紙の本に劣らない学習効率を実現することもできなくはないですが……多くの場面では電子書籍のほうが分が悪いです。
※学習効率に関する具体的な研究結果に関しては「紙の本のメリット」の項目をご参照ください(*^^*)
設定を間違えると集中力が低下する
そしてここも一つのミソです。
電子書籍は設定を間違えると集中力をめちゃくちゃ下げて学習効率を急落させる危険性があります。
じゃあどんな設定にしたら集中力を妨げる危険があるかというと……
です。
なんだぁ、そんなことかぁ
と思うかもしれませんが、通知を侮ることなかれ、です。
人の集中力はちょっとの邪魔が入るだけで劇的に下がってしまうことが分かっています。
しかも集中状態が解けたとき、再び集中状態に入るためには25分もかかることが分かっています(※)。
他にもあります。
テキサス大学オースティン校のエイドリアン・ワード教授らが行った実験では、スマホが“そこにあるだけで”脳の処理機能が低下して勉強や仕事に影響が出ることが分かっています(※)。
なので通知に代表される”読書を妨げる設定“をしていると、せっかくの読書が身にならない可能性が高まってしまうんです。
紙の本に横やりのリスクはないですが、デジタルデバイスでは大いにありえますよね? 言ってみれば読書というシングルタスクが、通知によってマルチタスク(マルチタスク脳)になってしまうんですよね。
ですので大きなデメリットになりえてしまうんです。。
睡眠の質を下げるため、夜に読みづらい
さらにこれも大きなデメリットの一つ。
電子書籍を読むためのデジタルデバイスは光(ブルーライト)を発するため、夜に読むと睡眠の質を下げしまう……というデメリットがあります。
僕も寝る前に電子書籍で買った本を読むことがたまにあります。
その際は、
などの対策をしています。
こんな怪しい眼鏡をかけながら読書してます(笑)。
ただ、ここまでしても翌朝のすっきり感を別の日と比較すると……あまり良くないということがほとんどです。
なんだか頭の中がもっさりしていて、よく眠れた感覚が得られないんですよね。
Oura ringを見ても睡眠の質が落ちていることは間違いなさそう。
ということで、
という点が電子書籍のデメリットになります。。
結局、紙と電子のどっちを選ぶべきか?
ここまで紙と電子書籍のメリットとデメリットを比較してみました。
じゃあ実際にどっちを選ぶべきなのかというと、最初に書いたとおり……
紙の本と電子書籍、どちらもメリットとデメリットがあるため、好みや用途によって使い分けるのがベスト!
ということになります。
それぞれのメリットとデメリットが分かったので、どちらを選択するのがいいのか、項目別に見ていくことにしましょー!
学習効果、効率で選ぶなら?
学習効率を重視したいのであれば、
紙の本を選ぼう!
というのが合理的だと考えます。
もちろん電子書籍でも気をつければ紙の本と変わらぬ学習効率を実現することも不可能ではないです。
ただ設定の難しさや環境要因(物質として本が周りにあると勝手に読んじゃうメリット)を考慮すると、紙の本に軍配が上がりますよね。
なのでもし本の内容をガッツリ頭に入れたいと思うなら、紙の本を買うことをおすすめします(*^^*)
利便性・手軽さで選ぶなら?
利便性や手軽さで選びたいというなら……
電子書籍を選ぼう!
となりますね。
実際、特に都市圏で生活する方であれば家にいることがほとんどないという人も少なくないはず。
もしそうなら家の中に本をたくさん持っているより、デジタルデバイスに入れて持ち運ぶほうがいいはず。そのほうが結果的に読書する時間が長くなる、というケースも考えられますからね。
なので利便性重視ならデジタルデバイスで本を買いましょう!
体調管理を重視するなら?
本で体調管理というのも珍しい話ですが(笑)、もし体調管理をめちゃくちゃ大事にしているという方だとしたら……
紙の本を選ぼう!
となりますね。
いくら知識を得られたとしても睡眠の質を犠牲にしてしまうというリスクは無視できません。人生全体で考えたときにマイナスに働く可能性も高いです。
特に寝る前に読書する習慣がある方は、電子書籍より紙の本を選ぶほうがいいでしょうね(*^^*)
紙書籍と電子書籍の使い分けも選択肢に
ここまで状況別に紙を選ぶべきか、電子書籍を選ぶべきかを見てきました。
ただし、これらはあくまでも一般論に過ぎません。一つの目安でしかないんです。
なので大事なのは……
・自分の状況を加味して自分で判断すること
・状況に応じて紙書籍と電子書籍を使い分けること
ですね。
例えばですが、
寝る前に本を読む習慣がある。だけど移動中に読書することも多いから利便性も求めたい
というケースも多々あると思います。
そういうときはどちらか一方に寄せるのではなく、
といった感じで使い分けるのがいいと思います。
どうしても「すべてのケースに対応する統一の答え」というのはないので、自分で考えて状況に応じて決める習慣をつけていくのがいいですね(*^^*)
まとめ
最後に今回の内容を振り返っていきましょう!
▶紙と電子、それぞれのメリット・デメリットがあるよ!
▶「どちらかが絶対にいい!」ということはないよ!
▶大事なのは自分の用途に応じて使い分けることだよ!
という話でした!
悩ましい問題ではありますが、自分の目的に応じてどちらにするか、選んでみてください。
用途を明確にして購入すれば、後悔することも少なくなるでしょうしね!
ちなみに「紙と電子、どっちにするべきだろう……」と永遠と悩んでいて結局本を読む機会が減る……というのが一番良くないので、ちゃっちゃと決めて最高の読書ライフを送っていくことをおすすめします(*^^*)
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